こんにちは味噌人です。
今回は本ブログ初のイベントレポートとなります!
内容は漫画『宗桂〜飛翔の譜〜』第1巻発売記念イベントです。
Contents
『宗桂〜飛翔の譜〜』ってどんな漫画?
『宗桂〜飛翔の譜〜』は 少年マガジンで『哲也~雀聖と呼ばれた男~』の作画を担当していた漫画家星野泰視氏による歴史将棋漫画です。
歴史将棋漫画?と頭に疑問符が浮かんだ方も多いかと思いますが、この漫画を出版社の紹介文を引用により説明すると
●安永四年(1775 )、江戸――
実在した将棋指しの物語。
江戸には代々、将棋で俸禄を得る“将軍家将棋指南役”、つまり幕府公認の将棋指しがいた。
実在した「将棋御三家」である。この物語は、御三家筆頭・大橋本家当主にして、
後に八世名人を襲位する「九代目大橋宗桂」と、彼を巡る将棋指したちが織りなす葛藤と真剣勝負、夢と情を描いた本格将棋ドラマである。
であり、
●星野泰視だから描けるひりつく勝負、
渡辺明だから成り立つ唯一無二の精巧な将棋図面。
指さない「観る将」でも将棋の内容が分かる!
本作で指される将棋は、現存する江戸時代の棋譜をベースにしたものはもちろん、
それとは別に約半数は将棋界を代表するトップ棋士・渡辺二冠(棋王・王将)
の手で初手から投了まで組み立てたオリジナルのもので構成。
そこに『哲也-雀聖と呼ばれた男-』を大ヒットに導いた星野泰視による、
濃密なキャラクターと心理戦が加わり、さらに史実も絡んだ深みのある
「本格将棋エンターテインメント」に仕上がっています。
さらにそれに留まらず、渡辺二冠による書き下ろし解説コラムを一話一話に追加!
“将棋をしっかり描いている”のに“初心者も理解できる”、新しい将棋漫画体験がここに!
なのです!!
そして、本イベントでは本作の著者である星野先生と将棋の監修している渡辺明二冠のトークショー&サイン会が開かれるとのこと。
私は将棋以外にも麻雀が大好きで、星野先生が描いていた『哲也』を中高大と愛読書にしていたこともあり、これは行くしかないと思い立ち、有休を取り参戦してきました!
イベント概要
イベントは神保町にある書泉グランデの7階イベントスペースで開催されました。
参加人数は約60人。
参加条件は書泉グランデさんで本作を買うだけという非常にリーズナブルなものだったこともあり、イベント三日前にはソールドアウトでした。
内容はこれを見て頂いたほうが分かりやすいですかね
座席は抽選番号順に案内される安心仕様。
将棋系のイベントは「番号順」なのか、「並んだもの順」なのか曖昧だったりすることが多いのですが、今回のイベントは明確に番号順と示されてて良かったです。
私の番号は30番。
ドキドキしながら開場を待ちます。
開場&星野先生・渡辺二冠登場!
イベント会場はこんな感じ
なんか、記者会見っぽいですね(笑)
参加者の男女比は男性7割、女性3割といったところ。
近頃の将棋イベントはトークショーやサイン会、前夜祭など将棋を指さなくても参加できるものの場合、
男女比が半々、もしくは女性の方が多いイベントもあるので、3割女性がいる構図というのは珍しくないです。
年齢構成的には30~70歳までといった感じですね。
ちなみに将棋イベント常連の方もかなり多かったです。
関東近郊のイベントだと必ずと言っていいほどいる熱心な将棋ファンの方は結構多いので、お互い声はかけないけど顔見知りみたいな謎の関係が生まれやすいですね…
6時半ちょっと過ぎにいよいよ星野先生、渡辺二冠が登場
星野先生が思ってたより若い!!
ウィキによるとまだ50歳なんですね、哲也が結構まえの作品なので60歳位のイメージでした。
ちなみに渡辺二冠は私の一学年下の34歳。
貫禄あります。
トークショー
トークショーは将棋イベントではお馴染み、観戦記者の内田晶さんの進行で進みました。
内容は覚えている限りこんなところです。
- どういった経緯で渡辺二冠が監修を受けたのか
- 星野先生、渡辺二冠のお互いの印象
- 宗桂という人物の印象
- 江戸時代の棋士を描くにあたっての工夫
- 漫画づくりの進め方 etc
かなり幅広ですね。
構成としては、穏やかで物静かな星野先生をハキハキ明朗でトークショー大得意の渡辺二冠がリードする形でした。
ここからは印象に残った話題をいくつかピックアップしてご紹介します。
監修について
星野先生
「昔漫画の題材にしようと将棋界のことを調べたことがあって、渡辺二冠もその時から知っていたので、監修をお願いすると聞いたときは、冗談だと思ってた。もっと目立ちたがり屋の若手の人とかがいいんじゃないかと(笑)」
「肩書に王ってつく人に初めてお会いした(笑)」
このあたりはかなりウケてましたね!確かに第一人者が監修とは思わないでしょうし、星野先生に気持ち分かります。
渡辺二冠
「監修を頼まれた当時、順位戦もA級から落ちて棋王も取られそうで、将棋で負けすぎてたんで監修断ろうと思ってたんです。
でも編集さんが『渡辺さんの将棋は絶対大丈夫ですから!』
とか根拠ないこと言うんですよ!!
でも結果的に成績も良くなりましたし、受けて良かったです」
時期的に2018年3月末位に話があったみたいですね。
編集の方が渡辺二冠の高校の先輩?という関係で話があったみたいです。
ネームの話
渡辺二冠
「たまにネームがまだ出来てない段階で棋譜を作ることがあって、それならセリフも入れちゃえって!ってキャラのコピーを貼り付けて、吹き出しでセリフつけちゃったんですよ」
星野先生
「結構使わせてもらいました」
渡辺二冠忙しいのにやる気ありすぎですね(笑)
星野先生がしっかりプロットを練るタイプということで、対局スケジュールを考えて先に棋譜を作ることもあるみたいですね。
打ち合わせは月1回はやっているとのこと。
渡辺二冠は監修に対して超真面目で、翌日対局があるのによる11時半に棋譜が来て星野先生が恐縮するということもあったみたいです。
あと、星野先生が『渡辺二冠は連絡が本当に早い』と言っていたのも印象的でした。
時代考証と駒台の話
渡辺二冠
「将棋漫画見る時はまず駒台があるか確認するんですよ。
無かったり高さが合ってないと監修がついてないな〜と。
ただ江戸時代は駒台あったかと調べる1900年位かららしくて。
なので宗桂には駒台ないですけど、間違いじゃないですから。
ここ大事なところですからね(笑)」
確かに盤の上に物をのっけたり、とかあり得ない場面があると突っ込みたくなりますが、渡辺二冠が時代考証にも真剣なのが流石です。
将棋用語でカッコイイと思うのは?
これは質問コーナーで出たものですね。
星野先生
「指しすぎですね。将棋用語が日常会話で出てくるのがカッコイイなと」
渡辺二冠
「確かに日常生活でも将棋用語使いますね。
今日も昼に蕎麦を2人前、温かいのと冷たいの頼んだら、指しすぎと言われました(笑)」
将棋用語は他にも色々使うみたいですね。
『終電が詰んだ』とか棋士間で多用するらしいですけど、我々でも使えそうです。
サイン会(&内田さんによる場繋ぎトーク)
トークショーが終わったら、サイン会では始まりました。
サインの順番は番号順。
19時に始まり終わりが21時回っていたそうなので、約2時間のサイン会ですね(私はサイン貰った後20時ちょっとすぎに帰りました)
星野先生サイン
サインの様子
私は冒頭でも書きましたが星野先生が描いていた『哲也』を愛読書にしていて、特にその中で『印南』というキャラの大ファンです。
ということで本来なら本作の主人公『宗桂』を描くところ、お願いして『印南』を描いてもらいました!!!!!!
実を言うと、事前に星野先生に
「当日『印南』とかお願いされるかもですよ~」
と丁寧に前振りをしていたので、頼んだ瞬間星野先生が
「印南来た!」と笑っていたのが印象的でした。
前振りがあったとは言え、急なお願い&時間がない中このクオリティ!!
控えめに言っても星野先生は神ですね٩( ”ω” )و
渡辺二冠サイン
星野先生で興奮しきった私は腑抜けた状態で渡辺二冠の元へ。
これまで2回サイン貰っていますが緊張しますね。
サインの様子
今回は王将獲得直後ということで、
本来『二冠』となるところを『棋王・王将』で頂きました!!
揮毫は『大望』
…私、前に2回貰った時も『大望』だったので、今回は『勇躍』にしてもらおうと思ってたのですが、興奮からすっかり忘れていました…。
次回への反省ですね。
渡辺二冠とは村山先生の関西移籍の話をしましたが、既に結構聞かれているらしく話題選択に失敗しました…今回は星野先生で精神力を使い切っていろいろ迂闊でした。
ただ『棋王戦応援してます!!』
とは伝えられたので、及第点ですね。
サイン会の間の場繋ぎトーク@内田記者
冒頭でも書きましたが、2時間近い待ち時間は内田さん(と途中から『銀杏』さんこと君島俊介記者の参戦)のトークで盛り上がりました。
いくつか印象に残ったトークをピックアップすると
①将棋棋士の癖の話
内田記者
「棋士の癖として、スイカとかなかった頃、切符を駒みたいに持って通すとかありましたよね。
あと、コンビニとかでお金払うとき五百円玉を駒に見立ててスッと出すとか」
渡辺二冠「あと、箸置き。箸置きを駒に見立てて空打ちは良くやりますね(笑)」
②将棋用語を日常生活でよく使うという話題
渡辺二冠
「昔奨励会にいて、その後マスコミや競馬界に行った将棋会と外の世界の両方知ってる人に聞くと、棋士が一番よく使うのが『ひえ〜』だそうです」
③女性ファンが増えたという話題
内田記者
「渡辺二冠と野球観戦に行った時、カップルの女性のほうが渡辺二冠のファンだと声をかけてきたので、『スリーショットで写真を撮りますよ』と言ったら彼氏さんに『将棋知らないから自分が撮ります』と言われました。
以前なら男性が将棋ファンで、女性が写真を撮るというパターンが多かったのに、女性の将棋ファンが増えたな感じた」
④阿久津八段が『哲也』のセリフを愛用している話
内田記者
「阿久津八段が勝負の心構えとして
『相手の風上に立たなきゃいけない』
と言っていて、良いこと言うなぁと思ってたら、星野先生の『哲也』で使われてたセリフだった」
こんな感じで、ずっと将棋裏話をしてくれて非常に勉強になる&面白かったです。
あと、内田記者の話にちょくちょく渡辺二冠がカットインしてくるのもイイですね。
まとめ
漫画『宗桂〜飛翔の譜〜』第1巻発売記念イベント最高でした!!
あえてまとめると
- 渡辺二冠のトークがキレキレ
- 星野先生のサインが一生物の素晴らしさ
- 内田記者の場繋ぎトークが本編ともいえる充実ぶり
- これらの魅力を漫画買うだけで楽しめる
- そして、漫画『宗桂〜飛翔の譜〜』が面白い
こんなところでしょうか?
『宗桂〜飛翔の譜〜』については別途「将棋本の紹介」として取りあげますが、星野先生の作品らしく悪役のアクが強く非常に面白い作品です。
最後までお読みいただきありがとうございました、コメントなど頂けましたら幸いです。
それでは次の記事でお会いしましょう!