こんにちは味噌人です。
今日は将棋界の8大タイトルの賞金額について徹底解剖したいと思います!!
タイトル戦の賞金額は未公表のものが多く、色々な要素から推測した金額とはなりますが、是非ご覧ください。
Contents
竜王戦の賞金額・対局料
名人戦とともに将棋界の最高峰とされる竜王戦。
最高賞金額を誇るタイトルとしても有名で、優勝賞金だけでなく七番勝負敗者の賞金額、挑戦者決定戦の対局料や本戦トーナメントや組予選優勝・準優勝の金額まで公表されていることも特徴です。
各賞金額・対局料以下のとおり
- 勝者賞金:4320万円
- 敗者賞金:1620万円
- 挑戦者決定戦対局料:各450万円
組 | 優勝賞金 | 準優勝 |
1組 | 460万円 | 115万円 |
2組 | 360万円 | 93万円 |
3組 | 260万円 | 62万円 |
4組 | 205万円 | 52万円 |
5組 | 155万円 | 41万円 |
6組 | 93万円 | 20万円 |
なお、竜王戦七番勝負の対局料は過去には賞金額と別途公表されていましたが、現在は対局料として公表されていないことから、賞金に加え1千万円前後の対局料が加算されている可能性もあります。(ただし、賞金額に合算されている可能性もあります)
参考までに過去の対局料をわかる範囲で示すと
【第9期】
- 勝者賞金3200万円、敗者賞金800万円
- 竜王対局料1350万円、挑戦者対局料675万円
【第19期】
- 勝者賞金3200万円、敗者賞金800万円
- 竜王対局料1450万円、挑戦者対局料700万円
となっており、この対局料が現在も維持されているかは不明です。
名人戦の賞金額・対局料
将棋のタイトル戦において最も歴史が古く、権威ある名人戦。
その賞金額・対局料も竜王戦についで高額なものとなっています。
なお、賞金額・対局料については正式には公表されていませんが、観戦記者や関係者等の記述を正しいものとすると以下のとおり
- 勝者賞金1200万円、敗者賞金300万円
- 名人対局料1050万円、挑戦者対局料400万円
- その他、順位戦に出られない名人のため『名人手当』1200万円
以上から
名人防衛:3450万円(1200万円+1050万円+1200万円)
挑戦者奪取:1600万円(1200万円+400万円)
挑戦者敗退:700万円(300万円+400万円)
となります。
叡王戦の賞金額・対局料
2018年度から34年ぶりの新設タイトル戦となった叡王戦
ニコニコ動画を運営するドワンゴ主催のタイトル戦ということで
『優勝賞金は2525(ニコニコ)万円という語呂あわせで決められているのでは?』
とまことしやかに噂されていましたが、2018年次の高見泰地先生の獲得賞金・対局料がわかり概ねの金額が推測できるようになりました。
高見叡王(当時)の場合
【2017年】522万円
【2018年】2636万円
約2,100万円増
他棋戦の活躍度としてはほぼ同等であるため増加金額分『2000万円』がそのまま叡王戦予選および七番勝負の賞金額・対局料と思われます。(100万円は7段昇段後の増加した対局料と想定)
叡王戦の契約金額は竜王戦の半額以下であることから、竜王戦の挑戦者決定戦の対局料が叡応戦の七番勝負までの対局料と同等であると仮定し、想定した賞金額・対局料は以下のとおり。
勝者賞金:1200万円
対局料:400万円(来年度叡王は+400万円)
七番勝負までの対局料合計:各400万円
【初代叡王or叡王防衛】2000万円
このようなところでしょうか?
すべてのタイトル戦にいえますが、基本的に挑戦まで勝ち進んだ場合の対局料分が現タイトルホルダーの対局料に上乗せされる形かと推測されるので、来年度は勝者賞金1200万円に叡王対局料800万円で2000万円ほどかと思われます。
敗者賞金は2019年次賞金額が判明すれば、高見先生の金額から推測することが出来そうですので、ランキングが発表され次第更新します。
王位戦の賞金額・対局料
タイトル戦としては序列4位となる王位戦。
王将戦と同じく王位リーグというリーグ戦を行い挑戦者を決める2日制のタイトル戦ですが、菅井先生や広瀬先生が王位のみ保持していたため、賞金額・対局料の推測は比較的容易です。
菅井王位(当時)の場合
【2016年】958万円
【2017年】2,363万円(王位奪取)
【2018年】2,193万円(王位陥落)
約1400万円増
広瀬王位(当時)の場合
【2009年】768万円
【2010年】2,136万円(王位奪取)
【2011年】2,005万円(王位陥落)
約1400万円増
両者ともに1400万円近い増額となっていますが、王位獲得と同時に菅井先生はB級1組昇級や王座戦ベスト4、広瀬先生も棋王戦挑戦者決定戦進出、竜王戦昇級トーナメント優勝などその他の増額理由もあることから、共に200万円ほどは他の増額理由と考え、1200万円が王位リーグ及び王位戦の賞金額・対局料かと思われます。
王位リーグ対局料合計を王将リーグ想定額の200万円と同じとした賞金額・対局料の想定は以下のとおり。
勝者賞金:700万円、敗者賞金:300万円
王位対局料:500万円、挑戦者対局料300万円
※王位リーグ対局料:200万円(1局約30万円)
以上から
王位防衛:1200万円(700万円+500万円)
挑戦者奪取:1000万円(700万円+300万円)
王位敗退:800万円(300万円+500万円)
挑戦者敗退:600万円(300万円+300万円)
となります。
なお王位敗退でも『800万円』というのは、菅井先生、広瀬先生ともに陥落時に100~200万円しか獲得額が落ちていないことから推測したものです。
王座戦の賞金額・対局料
タイトル戦としては序列5位となる王座戦。
羽生善治九段が長きにわたり防衛を続けており、また間に奪取した渡辺三冠も他タイトルを保持していたため賞金額が長らくブラックボックス化していた王座戦ですが、中村七段がタイトルを奪取・そして斎藤王座相手に陥落したことでおおよその賞金額・対局料の推測が出来るようになりました。
中村王座(当時)の場合
【2016年】718万円
【2017年】2,144万円(王座奪取)
約1400万円増
斎藤王座の場合
【2017年】1,699万円
【2018年】2,393万円(王座奪取)
約700万円増
なお、斎藤王座の2017年金額は棋聖挑戦、王将リーグ、竜王戦昇級者決定戦優勝等、他の増額要因が多すぎ2018年度との比較が困難なことから、今回は中村太地先生の事例のみを対象に想定します。
また、中村太地先生も2016年から2017年の間で順位戦がC級1組からB級2組の昇級があるため、100万円は他の増額理由と考え、1300万円が王座戦予選および王座戦の賞金額・対局料かと思われます。
王座戦挑戦までの獲得賞金・対局料をトーナメントであり対局数が少ないことから、王位・王将リーグより100万円高いと仮定した賞金額・対局料の想定は以下のとおり。
勝者賞金:700万円、敗者賞金:300万円
王座対局料:500万円、挑戦者対局料300万円
※王座挑戦までの対局料等:300万円
以上から
王座防衛:1200万円(700万円+500万円)
挑戦者奪取:1000万円(700万円+300万円)
王座敗退:800万円(300万円+500万円)
挑戦者敗退:600万円(300万円+300万円)
となります。
王位と全く同じ賞金額・対局料となってしまいましたが、これは序列が上であり、対局数も多い王位戦より賞金・対局料が多いとは考えられない事から同額としたものです。
中村太地先生の2017年次獲得賞金があと200万円ほど低ければ計算上すっきりとした結果が出たのですが…若干中村太地先生の獲得賞金に寄せて行っている点、ご承知おきください。
棋王戦の賞金額・対局料
タイトル戦としては序列6位となる棋王戦。
長らく渡辺棋王を中心に複数冠保持者やタイトル挑戦者、一般棋戦優勝者が同時に保有しているタイトルであるため、正確な賞金額・対局料の想定は難しいですが、近年で比較的一番条件がシンプルな郷田真隆先生が棋王であった事例を元に想定します。
郷田棋王(当時)の場合
【2011年】1,679万円
【2012年】2,597万円(棋王奪取)
約900万円増
なお、郷田先生の事例は2011年次、2012年次ともに各棋戦での活躍が顕著でどちらの年次がより活躍したのか比較が難しいため、900万円をそのまま棋王戦予選および棋王戦の賞金額・対局料と仮定します。
勝者賞金:500万円、敗者賞金:200万円
王座対局料:400万円、挑戦者対局料:100万円
※棋王挑戦までの対局料等:300万円
以上から
棋王防衛:900万円(500万円+400万円)
挑戦者奪取:600万円(500万円+100万円)
王座敗退:600万円(200万円+400万円)
挑戦者敗退:300万円(200万円+100万円)
となります。
王将戦の賞金額・対局料
タイトル戦としては名人戦についで長い歴史を持つ王将戦。
今年度からは正式名称を『大阪王将杯王将戦』と改めています。
そんな王将戦ですが、賞金額・対局料は300万円という説があります。
しかし、久保利明九段が王将位を保持していた2017年度、2018年度とその前の2016年度の賞金額を見ると
- 2018年:2,598万円(他、A級、竜王戦準決勝敗退)
- 2017年:3,019万円(他、B級1組→A級、JT杯優勝、竜王戦準決勝敗退)
- 2016年:1,665万円(他、A級→B級1組、竜王戦準決勝敗退)
特に2018年度と2016年度は王将位の有無を除いてその他の棋戦の活躍度合いが似ていることから、A級とB級1組の数ヶ月分対局料の違い(100万円程度?)を除けば増えた金額『約800万円』がほぼそのまま王将戦での賞金・対局料であると考えられます。
また、王将戦の契約金額は叡王戦半分程度であることから、王将リーグ対局料合計を叡王戦勝ちあがり対局料の半分」と想定した賞金額・対局料は以下のとおり。
勝者賞金:500万円
王将対局料:300万円、挑戦者対局料100万円
※王将リーグ対局料:200万円(1局約30万円)
【王将防衛】800万円
ちなみに2019年度よりイートアンド㈱が特別協賛に加わりましたが、タイトル戦の序列の変動がないことから賞金額は据え置きに近い状態であると想定されます。
棋聖戦の賞金額・対局料
現在タイトル戦の中で序列8位である棋聖戦。
残念ながら棋聖戦については、
- 長らく羽生九段が他のタイトルと共に保有していた事
- 途中序列が下がっており、古いデータは活用できない事
以上のことから賞金額・対局料推測は困難です。
ただし、世間一般で言われている『300万円』は実態とは大きく異なると思われます。
というのも、棋聖戦は正式名称を特別協賛から名称をとり『ヒューリック杯棋聖戦』としていますが、同じくヒューリックが主催する『ヒューリック杯清麗戦』の優勝賞金額が700万円と公表されていることから、男性棋戦の金額を女流棋士による棋戦が超えることは考えにくいことが理由です。
上記の理由から、棋聖戦の優勝賞金額は清麗戦と同額の
優勝賞金:700万円
と予想します。
根拠薄弱で恐縮ですが、お許しください。
まとめ
- 竜王戦:4320万円
- 名人戦:2250万円(別途、名人手当1200万円)
- 叡王戦:2000万円
- 王位戦:1200万円
- 王座戦:1200万円
- 棋王戦:900万円
- 王将戦:800万円
- 棋聖戦:700万円
このようなところでしょうか?
これから最新情報を収集次第、随時更新するので、皆様も情報をお持ちでしたら提供いただけると助かります!!
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