こんにちは味噌人です。
今日は将棋連盟の経営状況についてまとめたいと思います。
将棋連盟は黒字なのか赤字なのか、藤井聡太七段による将棋ブームで経営状況は好転しているのか等、是非ご覧ください。
将棋連盟の財政状況を知るためには
まず詳しい財政状況を見る前に将棋連盟の財政状況をどう調べているかですが、公益社団法人である将棋連盟は情報公開として以下の内容についてHP上で公開しています。
- 定款
- 役員名簿
- 正会員名簿
- 事業報告書
- 財産目録
- 貸借対照表
- 正味財産増減計算書
- 事業計画書
- 収支予算書
- 役員の報酬等に関する規定
- 「国と特に密接な関係がある」公益法人への該当性について(公表)
この中でも重要なのが株式会社での損益計算書にあたる『正味財産増減計算書』です。
詳しい内容は上記リンクから確認いただきたいのですが
- どのような収入、支出がいくらあるのか
- 黒字なのか赤字なのか
なのかが分かります。
ここからはこの正味財産増減計算書に基づき将棋連盟の財政状況をみていきます。
将棋連盟の収入~棋戦契約金や放映権による収益の推移~
将棋連盟の主な収入源は主に5つ。
- 棋戦契約金(タイトル戦や一般棋戦の契約金)
- その他契約金(Abemaやニコニコの放映権料等)
- 免状収益(段位認定免状等)
- 普及収益(将棋普及イベントや道場収益)
- 売上収益(扇子や盤駒、書籍等の売り上げなど)
この5つの収入源を元に最新の数値である『2018年度』と2016年度デビューした藤井聡太ブームが始まる『2015年度』の数値を比較します。
【2018年度】
【2015年度】
まず『経常収益』を見てみると2015年度の約27億5千万円から2018年度の約32億5千万円と『約5億円、20%』増加しています。
藤井聡太人気恐るべしですね!!
具体的に収益が伸びている部門を見ると『その他契約金』が約2億から約6億に3倍増しています。
2015年度と2018年度の大きな違いと言えば『AbemaTV』の存在。
もちろん増加した4億円の全てがAbemaTVとの契約金とは限りませんが、竜王戦の契約金が4~5億円と言われている中で、将棋連盟にとってネット放送での影響力の大きさも考えると一番の大口取引先はAbemaTVと言えるかもしれません。
その他の要素を見ていくと、普及収益や売上収益、免状収益も順調に伸びており、将棋ブームの追い風感じる結果ですが、棋戦契約金については微減となっています。
これは棋戦の主なスポンサーである新聞社の経営状態の悪化に伴う契約金の減かと思いますが、2019年度より女流の新棋戦である『ヒューリック杯清麗戦』が創設され、また王将戦でも大阪王将が特別協賛に入るなどの増要因があることから、今後どういった推移をしていくのか注目ですね。
どちらにしろ新聞社からの契約金の増加が今後見込みにくいなか、どういったスポンサーを探していくかが課題となっていますが、今のところ新規の収入源の模索は順調であるといえるのではないでしょうか?
これまで棋戦契約金が3分の2を占めていたいびつな収益構造をしていましたが、全体の収入を維持しつつ棋戦契約金の割合を現在の5割以下、たとえば4割程度まで下げられれば経営の安定度もあがってくると思われます。
将棋連盟は黒字なのか赤字なのか?
こちらは『正味財産増減計算書』の『正味財産期末残高』を年度ごとに見ていくことでわかります。
データが見つかったここ4年度の推移は以下の通り。
- 【2018年度】約18億2,649万円(+1億4,547万円)
- 【2017年度】約16億1,026万円(+1億3,625万円)
- 【2016年度】約14億7,401万円(-1億1,146万円)
- 【2015年度】約15億8,547万円
2016年度の赤字原因は主に『三浦九段冤罪事件』の影響です。
解決金として約1億円の支出があるので、ほぼその金額が赤字額となっています。
その後は藤井聡太七段による将棋ブームの影響で順調に黒字化しており、正味財産も増加しています。
2015年度比で約2億4千万円近く財産をふやしており、こちらも現状順調であるといえます…が過去の将棋連盟の決算を追うと、約25億近くの財産を持っていた時代もあり、現状必ずしも安泰とは言えないかもしれません。
まとめ
- 将棋連盟の収入は年間約32億円
- 総資産は約18億円
- ここ2年間は黒字
- 収入も4年前と比較して5億円の増加している
- 藤井聡太七段による将棋ブームで経営状況は好転している
このようなところでしょうか?
次回の記事では支出がどのように推移しているか、そしてそこから棋士や女流棋士の年収を想定していきたいと思いますので、是非ご覧ください!!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
コメントなど頂けましたら幸いです。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!