こんにちは味噌人です。
今日は藤井聡太七段の史上最年少挑戦者が決定した『棋聖戦』について説明したいと思います!!
すでに多くのメディアに取り上げられ世間の耳目も集めている棋戦ですが、是非ご覧ください
Contents
棋聖戦とは?
棋聖戦とは将棋界8大タイトル戦のひとつで、正式名称を『ヒューリック杯棋聖戦』と言います。
タイトルの序列は最下位となる8番目。
主催は産経新聞社。2018年からヒューリック株式会社が特別協賛に入りました。
タイトル戦五番勝負で行われ、勝者は『棋聖』のタイトル称号を得ます。
2020年6月現在のタイトル保持者は渡辺明棋聖(棋王・王将)
1962年から開催されている棋戦であり、歴史はそれほど深くはありませんが、かつては竜王戦・名人戦に次ぐ序列3位であった時期もあり、また『棋聖』という言葉が将棋の世界では江戸時代の天才棋士『天野宗歩』を指すことからファンにとって馴染みの深いタイトルとなっています。
また、現在将棋界における最年少タイトル獲得記録を保持している屋敷伸之九段が初戴冠し記録を打ち立てたタイトルとしても有名ですね。
賞金額・対局料
棋聖戦の賞金額は『300万円』という説がありますが、この金額は実態とは大きく異なると思われます。
棋聖戦は他のタイトルと異なり賞金額を推測できる要素が少ないため、正確な金額を予想することは難しいですが、同じくヒューリックが主催する女流棋戦である『ヒューリック杯清麗戦』の優勝賞金額が700万円と公表されていることから、男性棋戦の金額を女流棋士による棋戦が超えることは考えにくいです。
上記の理由から、棋聖戦の優勝賞金額は清麗戦と同額の
優勝賞金:700万円
程度と想定されます。
ちなみに前述のとおり2018年度よりヒューリック株式会社が特別協賛に加わりましたが、タイトル戦の序列の変動がないことから賞金額は据え置きに近い状態であると想定されます。
開催時期
棋聖戦5番勝負は毎年6~7月に実施されます。
2020年度はコロナの影響で名人戦の日程が大幅にずれ込んだことから、名人挑戦者でもある渡辺三冠は厳しいスケジュールとなりそうですね。
五番勝負の特徴~概要と前期後期制~
棋聖戦五番勝負は1日制で持ち時間は各4時間とタイトル戦の中では棋王戦と並んで最も持ち時間が短い棋戦です。
棋聖戦が創設された当時は他タイトルが全て2~3日制であったため、唯一の1日制の番勝負だったのですが、一説にはこれは体調のすぐれなかった升田幸三実力制第四代名人のための措置であるとされています。(ただし、升田先生は棋聖を取ることはありませんでした)
予選形式
一次予選、二次予選を経て16名による決勝トーナメントで挑戦者を決めるという極めてシンプルな形式をとっています。
ただ、本戦シードが8名と多いため、実力者が順当に挑戦者となるイメージがありますね。
前期後期制
棋聖戦は1995年まで『前期後期制』という将棋界でも唯一の形式をとっていました。
1年に2回タイトル戦があるという事でタイトル保持者が番勝負にかけることができる準備期間も短く、若手の活躍が目立った棋戦でもありました。
五番勝負は6~7月と12月~2月の2回行われていたという事で、トップ棋士は年中棋聖戦の対局をしていた印象があると言います。
棋聖戦の歴代記録・永世棋聖
永世棋聖
永世称号は「永世棋聖」で棋聖を通算5期以上保持した棋士に与えられます。
通算5期以上という他タイトルと比べ簡単な条件であることから、2020年現在永世資格を持つのは5名います。
永世称号の獲得順に並べると
- 大山康晴
- 中原誠
- 米長邦雄
- 羽生善治
- 佐藤康光
このように、そうそうたる顔ぶれです。
基本的に永世称号は現役引退後に名乗ることとなるため、羽生善治九段や佐藤康光九段は永世棋聖を名乗ることはまだありません。
ちなみに永世棋聖というと、『米長邦雄永世棋聖』が現役時から名乗っていた称号という事で米長先生のイメージが強い方も多いと思いますが、これは特例中の特例というか、米永先生だから仕方ないという理由でご納得ください。
棋聖在位期間
棋聖位在位期間トップ5は以下のとおり
- 大山康晴:16期
- 中原誠:16期
- 羽生善治:16期
- 米長邦雄:7期
- 佐藤康光:6期
歴代タイトル保持数トップ3が16期で並ぶという結果に。
羽生九段が再度奪取し単独トップに立つことができるのか注目ですね!!
その他の記録
【最年少獲得】屋敷伸之九段:18歳
【最年少挑戦】藤井聡太七段:17歳
【最年長獲得】大山康晴十五世名人:54歳
【連続獲得】羽生善治九段:10連覇
藤井聡太七段が最年少獲得記録を打ち立てることが出来るか…まさに世紀の一戦です!!
棋聖戦はなくなるという噂
一時期ネットでは
『産経新聞社が棋聖戦を手放したがっているのではないか』
『棋聖戦は消滅し6大タイトルとなるのではないか(当時は叡王戦がタイトルでなかったため)』
という噂がまことしやかに囁かれていました。
主催である産経新聞の業績悪化や3位であった序列が最下位になるなど、一時の棋聖戦は存続が危ぶまれていたのは確かです。
しかし、2018年度より新規スポンサーであるヒューリック株式会社がついたこと、また藤井聡太七段の初めてのタイトル戦の舞台となったことから、当面廃止の可能性はないと思われます。
いざという場合は規模を縮小してヒューリック株式会社に主催になってもらうなどの存続方法もありますし、しばらくは8大タイトル制が維持できるのではないでしょうか。(若干叡王戦が怪しいですが…)
まとめ
- 棋聖戦は将棋8大タイトルの1つ
- 賞金額は想定『700万円』
- 昔は前期後期制という珍しい方式をとっていた
- 最年少獲得は屋敷伸之九段
- 藤井聡太七段が最年少記録を更新できるかが注目!!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
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それでは、また次の記事でお会いしましょう!