こんにちは味噌人です。
本日は将棋連盟より発表された2019年将棋獲得賞金・対局料ランキングトップ10について簡単な分析を交えつつ書いていきたいと思います。
是非ご覧ください!!
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2019年将棋獲得賞金・対局料ランキング トップ10
2019年の賞金ランキングはこのようになっています。
保有タイトルや段位については、将棋連盟が本ランキングを発表した2020年2月3日時点のものですのでご了承ください。
順位 | 氏名・段位 | 賞金・対局料 | 昨年順位 |
---|---|---|---|
1 | 豊島将之 竜王・名人 | 7,157(4,722) | 4 |
2 | 広瀬章人 八段 | 6,984(2,802) | 5 |
3 | 渡辺明 棋王・王将・棋聖 | 6,514(5,119) | 3 |
4 | 永瀬拓矢 叡王・王座 | 4,678(1,382) | 18 |
5 | 羽生善治 九段 | 3,999(7,552) | 1 |
6 | 佐藤天彦 九段 | 3,687(5,999) | 2 |
7 | 木村一基 王位 | 3,209(1,057) | 27 |
8 | 久保利明 九段 | 2,178(2,598) | 7 |
9 | 藤井聡太 七段 | 2,108(2,031) | 12 |
10 | 斎藤慎太郎 七段 | 1,868(2,393) | 8 |
賞金・対局料の()内は昨年の金額です。
当たり前ではありますが、今年度もタイトルホルダーが上位を独占していますね。
一人も1億円の大台に到達した棋士がいないのは寂しいところですが、来年は2大高額タイトルを独占する豊島竜王名人がほぼ確実に1億円の大台を突破するものと思われます。
あとは渡辺3冠が叡王に挑戦した上で名人を奪取できれば大台突破の可能性が高いですね。
ちなみに賞金ランキングは年次であり年度ではありません。
またで上位に喰いこむため一番重要となる竜王戦のタイトル戦賞金・対局料については年末に行われることから翌年分としてカウントされます。
よって広瀬八段の金額には2018年の竜王位獲得時の賞金が加算されていますが、2019年対局分は含まれません。
このことを念頭に置きつつ簡単に賞金額を分析していきます。
1位:豊島将之竜王・名人 7,157万円
豊島竜王・名人が初となる賞金ランキング1位の栄冠に輝きました!!
2020年も叡王挑戦者決定戦に進出するなど絶好調の豊島竜王・名人。
よほどのことがなければ来年度も連続してトップとなるでしょう。
内訳を予想するとおおむね下記のような感じでしょうか
- 名人獲得および名人手当:2800万円
- 竜王戦(挑決):1000万円
- 王位戦(タイトル陥落):800万円
- 棋聖戦(タイトル陥落):500万円
- 銀河戦優勝:500万円
- 王将戦(リーグ戦対局料):200万円
- 王座戦(挑決):300万円
- その他対局料:1057万円
ざっくりとした計算になっており、恐らく竜王戦を含めた各タイトルにかかる対局料が全体的に1割り増しくらいかなとも思いますが、豊島先生くらい各棋戦での活躍がすごいと積み上げての計算は難しいですね。
2位:広瀬章人八段 6,984万円
惜しくも僅差の2位となったのは前竜王である広瀬八段。
2018年竜王戦の賞金メインとなっていますね。
内訳予想は下記のとおり
- 竜王獲得:4320万円
- A級順位戦対局料:840万円
- 棋王戦(挑決):300万円
- 王将戦(リーグ戦対局料):200万円
- 日本シリーズ(準優勝):200万円
- その他対局料:1,124万円
やはりその他対局料の金額が大きすぎるので、各棋戦の予選での対局料総額がもっと高額なものと思われます。
この辺りは
での予想を基に積み上げていますが、2019年の結果を受けて近日中に修正するかもしれません。
3位:渡辺明三冠 6,514万円
3位はこちらも微差で渡辺三冠。
昨年は絶好調であり各棋戦活躍が著しくはありましたが、やはり竜王・名人どちらかのタイトルなしではトップとなるのは難しいですね。
内訳予想は下記のとおり
- 棋王防衛:900万円
- 王将防衛:800万円
- 棋聖獲得:700万円
- A級・B級1組対局料:800万円
- 日本シリーズ優勝:500万円
- 朝日杯準優勝:300万円
- 竜王戦(1組優勝他):1000万円
- その他対局料:1,514万円
壮絶にずれてますね…朝日杯や日本シリーズの対局料が賞金以外にかなり上乗せされたとしても中々説明のつかないその他対局料なので、各タイトル防衛、獲得が100~200万円ずつくらい多いのかもしれません。
また将棋におけるタイトル保持による対局料の加算および勝利給というものがどれほどあるのか不明ですが、その辺りにより金額が加算されているのかもしれませんね。
4位:永瀬拓矢二冠 4,678万円
4位には初タイトル獲得の勢いで一気に二冠まで駆け上った永瀬二冠がランクイン。
レーティング的にもトップ5の常連であり、今後賞金ランキングでも毎年顔を見ることになると思われます。
内訳予想は下記のとおり
- 叡王獲得:2,000万円
- 王座獲得:1,000万円
- B級1組対局料:600万円
- 竜王戦(1組準優勝他):400万円
- その他対局料:678万円
永瀬先生は棋戦により活躍のメリハリがきいているため概算としてはかなり近い数値かと思います。
ランキングの常連となるためには、序列3位の高額棋戦叡王位を保持し続けることができるかがテーマとなりそうですね。
5位:羽生善治九段 3,999万円
5位には長年賞金ランキング1,2位を争っていた羽生九段が登場。
2020年は竜王戦での賞金上積みもなくなり、トップ10に残ることも確実ではありませんが、リーグ戦入りしている王位戦などで活躍し復活できるかが注目ですね。
内訳予想は下記のとおり。
- 竜王陥落:1620万円
- A級順位戦:840万円
- NHK杯優勝:500万円
- 王位戦(リーグ・挑決):300万円
- 王将戦(リーグ戦):200万円
- その他対局料:539万円
6位:佐藤天彦九段 3,687万円
6位には前名人である佐藤天彦九段がランクイン。
2019年は散々な成績となったため、とても内訳が計算しやすいのが悲しいところです…。
内訳予想は下記のとおり
- 名人陥落:2,550万円
- A級順位戦対局料:600万円
- 竜王戦(2組優勝他):500万円
- 棋王戦(挑決):200万円
- その他対局料:-163万円
いや、それはおかしい!!
どうやら名人戦陥落の場合の金額が違うようですね…おそらく月100万円といわれる名人手当てが各月払いなんでしょう!!(よくよく考えれば当然ですね…順位戦も月払い想定で計算してますし)
ということで修正すると
- 名人陥落:1,750万円
- A級順位戦対局料:800万円
- 竜王戦(2組優勝他):500万円
- 棋王戦(挑決):200万円
- その他対局料:637万円
まぁ、概ねあってるでしょう!!
7位:木村一基王位 3,209万円
7位には最年長初タイトル獲得記録を更新した木村王位が登場。
木村王位も活躍している棋戦が限定されているので予想しやすいですね。
内訳予想は下記のとおり。
- 王位獲得:1,200万円
- A級・B級1組対局料:600万円
- 竜王戦(挑決他):1,000万円
- その他対局料:409万円
何気に竜王戦挑決までの金額がすごいですね!!
8位:久保利明九段 2,178万円
8位には振り飛車等の雄、久保九段がランクイン。
久保九段も不調だったため予想は容易ですね。
内訳予想は下記のとおり。
- 王将陥落:500万円
- A級順位戦対局料:840万円
- 王将戦(リーグ戦):200万円
- その他対局料:638万円
A級順位戦・王将リーグともに陥落した2020年はトップ10入りが難しいかもしれないですね。
9位:藤井聡太七段 2,108万円
9位には将棋界の期待を一身に背負う藤井七段がランクイン!!
基本となる順位戦の対局料が低く、その他棋戦で目覚しい活躍を遂げているので予想が難しいところです。
内訳予想は下記のとおり。
- 朝日杯優勝:750万円
- C級1組対局料:300万円
- 竜王戦(4組優勝他):400万円
- 王将戦(リーグ戦):200万円
- その他対局料:458万円
その他対局料には朝日杯予選や王将戦予選などが含まれます。
ただ予選は勝ちまくったとしてもあまり対局料の増加にはつながらないようですね。
前年の高見七段の傾向から見ても、順位戦のクラスが低く、段位が高くない状態だとそこまで対局料への加算がないということでしょうか??
10位:斎藤慎太郎七段 1,868万円
10位には関西のイケメン王子こと斎藤七段がランクイン。
王座を陥落したもののA級への昇級を決め、来年以降もトップ10入りが期待される新鋭ですね。
内訳予想は以下のとおり。
- 王座陥落:800万円
- B級1組対局料:600万円
- その他対局料:468万円
まとめ
- 1億超が誰もいない戦国時代を反映したランキング
- 2020年も豊島竜王名人が連覇濃厚
- 渡辺三冠がどこまで肉薄できるかに注目
- 羽生善治九段の連続トップ10記録継続はどこまで続くのか
このようなところでしょうか?
これから最新情報を収集次第、随時更新するので、皆様も情報をお持ちでしたら提供いただけると助かります!!
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