こんにちは味噌人です。
今回は将棋界の一大イベント『将棋大賞』について書いていきたいと思います。
将棋大賞とは
将棋大賞とは、将棋棋士に対して年度ごとの功績を称える目的で日本将棋連盟から与えられる賞です。
将棋大賞は1974年に第1回表彰が行われ、今年で46回目を迎える歴史・権威のある賞で、将棋界の一年の総決算として将棋ファンの間でも毎年受賞者予想など非常に盛り上がっています。
連勝記録など記録により受賞者が明確な賞以外は選考委員によって決定され、選考会の内容は『将棋世界』に掲載されます。
対象となる期間は
将棋大賞は『前年度の記録・活躍』が対象となります。
第46回将棋大賞の対象期間は2018年4月1日~2019年3月31日です。
発表はいつか
例年3月31日~4月2日が発表日となります。
選考委員会が東京の将棋会館で行われ、その結果が即日発表という形が多いですね。
選考委員会は平日に行われるのがここ最近のトレンドなので、今年は4月1日発表の可能性が高いです。
どんな賞があるのか
将棋大賞は開催年度により賞の増減や改廃がありますが、昨年度時点では下記の賞が表彰されています。
1.個人賞(選考)
- 最優秀棋士賞
- 特別賞
- 優秀棋士賞
- 敢闘賞
- 新人賞
- 最優秀女流棋士賞
- 優秀女流棋士賞
2.記録部門(成績により決定)
- 最多対局賞
- 最多勝利賞
- 勝率1位賞
- 連勝賞
- 女流最多対局賞
3.東京将棋記者会賞(選考)
4.升田幸三賞(選考)
- 升田幸三賞
- 升田幸三賞特別賞
5.名局賞(選考)
- 名局賞
- 名局賞特別賞
また、廃止された賞として『殊勲賞』『技能賞』『(旧)敢闘賞』があります。
相撲になぞらえて作られた3賞だと思うのですが、 第32回を最後に廃止されています。
将棋大賞選考委員会のメンバーは
各新聞社や関連メディア、将棋マスコミにより構成されています。
例年将棋大賞の表彰式では、選考経過が選考委員代表である東京将棋記者会代表者により報告されます。
昨年度は産経新聞文化部の田中夕介氏が代表者として報告を行っています。
各賞の選考基準
将棋大賞における明確な選考基準は示されていません。
選考の様子は将棋世界で見られるのですが、毎年かなり白熱した議論が展開されるので選考の雰囲気を見たい方は必見です。
とはいっても、名称からはその内容が分かりにくい賞もありますので、おおまかにどのような傾向があるかを書き出してみます。
『最優秀棋士賞』『優秀棋士賞』『敢闘賞』
オリンピックでいうところの『金』『銀』『銅』メダルです。
最優秀棋士賞は説明不要ですね。最も優れた活躍をした棋士1名に贈られます。
優秀棋士賞は2番目に活躍した棋士に贈られる賞ですが、甲乙つけがたい成績を残した棋士がいる場合2名選出されることもあります。
『敢闘賞』は名称からしてやや格落ち感がありますが、棋界最高位である竜王やタイトルホルダーも受賞歴があるため、単純に3番目に活躍した人に贈られる賞という認識でよいかと思います。
『最優秀女流棋士賞』『優秀女流棋士賞』
これも年度で活躍したトップ2名の女流棋士を選びます。
『特別賞』
この賞は対象者がいない年も多く、表彰理由も様々です。
昨年度は藤井聡太七段が、一昨年は加藤一二三九段が受賞しており、特筆すべき活躍やこれまでの功労を特別に称する必要がある場合表彰されるようですね。
まさに特別賞といった感じです。
『新人賞』
特筆した成績を残した若手棋士に贈られる賞…かと思いますが、選考基準が一番分からない賞だったりします。
- 過去2回受賞した棋士はいない
- 過去の受賞者を見る限り30歳未満が条件と思われる
- タイトルホルダーの受賞は可能(例:第20回郷田王将)
- 敢闘賞などとの同時受賞は可能と思われる(例:第20回郷田王将)
- 最優秀棋士賞、優秀棋士賞、敢闘賞などを受賞済の棋士は選ばれない
これらから最優秀棋士賞、優秀棋士賞、敢闘賞、新人賞の受賞歴のない20代ならば誰でも対象となる賞だと推測されます。
『最多対局賞』『最多勝利賞』『勝率1位賞』『連勝賞』『女流最多対局賞』
これらは名称のとおりの意味で、年度ごとの記録により自動的に決定します。
同数や同率の棋士が何名いても全員が受賞者となります。
特に連勝賞は同数での受賞者が発生しやすく、第4回では5名が10連勝で受賞しています。
なお、連勝賞は年度をまたいでの連勝の場合、連勝が止まった年度での受賞となります。
『東京将棋記者会賞』
将棋の発展・普及等に大きな功績を残した人物や団体に対して贈られる賞です。
- 将棋の著述活動の功績(第32回:河口俊彦氏)
- 将棋ソフトの発展(第34回:コンピュータ将棋協会)
- 多くの弟子を育てた功績(第44回:森信雄七段)
などその功績も年度に縛られることのなく、幅広く功労者を称しています。
『升田幸三賞』『升田幸三賞特別賞』
新手や妙手を指した者、定跡の進歩に貢献した者に与えられる賞です。
「新手一生」を座右の銘として『升田式石田流』や『升田角』など数えきれない定跡の確立、新手などの構想を起こした『故・升田幸三 実力制第四代名人』の名にちなんで制定され、毎年大きな注目が集まります。
受賞者はプロとは限らず、第31回ではアマチュアの立石勝巳氏が「立石流四間飛車」が升田賞特別賞を受賞しています。
また、第35回 、第38回では当時奨励会三段であった今泉健司四段、星野良生四段がそれぞれ升田賞を受賞しています。
『升田幸三賞特別賞』は単純に次点といった扱いではなく、前述のアマチュアや長年の功績を称えての表彰などが多いですね。
『名局賞』『名局賞名局賞特別賞』
最も優れていると認められた対局に贈られる賞で、勝者と敗者の両方が受賞者となります。
『名局賞』はタイトル戦番勝負かA級順位戦を対象としていると思われます。
『名局賞名局賞特別賞』は名局賞で拾いきれなかった名局を表彰しており、女流棋戦も受賞歴があります。
まとめ
- 将棋棋士の年度ごとの功績を称える
- 最優秀棋士賞を頂点とした17の部門に分かれている
- 記録で決定するもの以外は選考委員会により選ばれる
- 今年の発表は4月1日が濃厚
こんなところでしょうか。
今年度の受賞者については次回の記事で予想しますので、ご覧頂けましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました、コメントなど頂けましたら幸いです。
それでは次の記事『【藤井聡太七段受賞なるか?】2018年度将棋大賞徹底予想①~最優秀棋士賞、優秀棋士賞など~』でお会いしましょう!