こんにちは味噌人です。
今日は藤井聡太七段が挑戦者決定リーグ入りしたことで話題となっている『王将戦』について説明したいと思います!!
藤井聡太七段が挑戦者となった場合は、将棋界のみならず世間も注目するテーマとなりますので、是非ご覧ください
Contents
王将戦とは?
王将戦は将棋界8大タイトル戦のひとつで、タイトルの序列は7番目。主催はスポーツニッポン新聞社及び毎日新聞社。
七番勝負の勝者は『王将』のタイトル称号を得ます。
2019年9月現在のタイトル保持者は渡辺明王将(棋王・棋聖)
1950年に一般棋戦として創設され、1951年にタイトル戦に格上げされており、1935年に始まった名人戦についで将棋界で2番目に歴史のあるタイトルとなっています。
また、羽生善治六冠(当時)が谷川浩司王将から王将位を奪取し、七冠独占を達成したタイトルとしても有名ですね。
2019年度の第69期から「大阪王将」を運営しているイートアンド㈱が特別協賛に加わり、正式名称を『大阪王将杯王将戦』と改めました。
※本ブログでは分かりやすさを優先し基本『王将戦』と表記します。
賞金額・対局料
王将戦の賞金額は300万円という説があります。
しかし、久保利明九段が王将位を保持していた2017年度、2018年度とその前の2016年度の賞金額を見ると
- 2018年:2,598万円(他、A級、竜王戦準決勝敗退)
- 2017年:3,019万円(他、B級1組→A級、JT杯優勝、竜王戦準決勝敗退)
- 2016年:1,665万円(他、A級→B級1組、竜王戦準決勝敗退)
特に2018年度と2016年度は王将位の有無を除いてその他の棋戦の活躍度合いが似ていることから、A級とB級1組の数ヶ月分対局料の違い(100万円程度?)を除けば増えた金額がほぼそのまま王将戦での賞金・対局料であると考えられます。
よって
王将戦の賞金額+対局料は
『700~900万円』
程度と想定されます。
ちなみに2019年度よりイートアンド㈱が特別協賛に加わりましたが、タイトル戦の序列の変動がないことから賞金額は据え置きに近い状態であると想定されます。
開催時期
7番勝負は毎年1~3月に実施されます。
将棋ファンにとっては、年明け最初の公式戦が『王将戦七番勝負第一局』というのが恒例となっていますね。
予選は1月~12月にかけて行われており、挑戦者を決定のための挑戦者決定リーグを9月~12月にかけて行われることが特徴となっています。
七番勝負の特徴~勝者罰ゲーム、指し込み制~
王将戦七番勝は2日制(封じ手採用)で持ち時間は各8時間。
各対局の勝者は勝利の翌日、翌々日と2回にわたりコスプレなどのネタ的な写真が主催であるスポーツニッポンにより撮られ、スポニチや中継サイトに掲載されるのが通例。
勝者罰ゲームなどと呼ばれ、将棋ファンの間では番勝負の内容と同じくらい期待されています!!
詳しくは下記の記事にまとめてありますので、こちらも是非ご一読ください。
指し込み制
また、創設当初は『指し込み制』と呼ばれる、3勝差がついた時点で王将戦の勝負が決定し、次の対局から香落ちと平手戦で交互に指し(半香落ちの手合割)、必ず第7局まで実施するシステムが採用されていました。
この『指し込み制度』の採用により、1951年度の第1期王将戦では当時の升田幸三八段が木村王将・名人を4勝1敗で指し込むこととなり、升田八段が第6局の香落ち対局を拒否するというかの有名な『陣屋事件』が起こります。
また、1955年度の第5期王将戦では同じく升田八段が大山康晴王将・名人に対し3勝0敗となり、第4局での香落ち戦でも升田八段が大山名人に勝ったことから「名人に香を落として勝つ」という有名な言葉が実現することとなりました。
この指し込み制は現在は死文化しており、香落ち戦がさされることはありません。
挑戦者決定リーグ(通称:王将リーグ)
王将への挑戦者を決めるリーグ戦は、通称『王将リーグ』と呼ばれます。
王将リーグ参加者は前期リーグ上位者4名と予選トーナメントを勝ちあがった3名の計7名。
その7名の総当り戦で最高成績をおさめた棋士が挑戦者となります。(同率の場合は、その内順位が高い2名が挑戦者決定戦を行う)
2019年度の王将リーグは
- 1位:久保利明九段(前王将)【順位戦A級・竜王戦1組】
- 2位:糸谷哲郎八段(前期2位)【A級・1組】
- 3位:広瀬章人竜王(前期3位)【A級・竜王】
- 4位:豊島将之名人(前期4位)【名人・1組】
- 5位:羽生善治九段(予選から)【A級・1組】
- 5位:藤井聡太七段(予選から)【C級1組・4組】
- 5位:三浦弘行九段(予選から)【A級・1組】
と藤井聡太七段を除く6名がA級という過去最高レベルのリーグとなりました!!
そして、王将リーグを勝ち上がった先に待ち受けるのは、現将棋界最強との呼び声高い渡辺明王将(棋王・棋聖)。
盛り上がらないはずがないですね!!
果たして藤井聡太七段は最難関ともいえる過酷な王将リーグを勝ち上がることができるのか??
将棋ファンならずとも大注目です!!
王将戦・王将リーグを観るためには
昨今の将棋のタイトル戦や重要対局は、AbemaTVやニコニコ生放送で観ることができるようになっていますが、王将戦に限っては『囲碁・将棋チャンネル 将棋プレミアム』の独占中継であるため、その対局の様子を映像で見たい方は会員登録やワンデイ会員となる必要があります。
棋譜だけであれば『将棋連盟Live』でリアルタイムで観ることができるので、こちらもお勧めです。
王将戦の歴代記録・永世王将
永世王将
永世称号は「永世王将」で王将位を通算10期以上保持した棋士に与えられます。
通算10期以上という条件のみである厳しさから、2019年現在永世資格を持つのは2名。
『大山康晴十五世名人』と『羽生善治九段』です。
なお、大山康晴十五世名は1973年の王将失冠により無冠となったことから、長年に渡るタイトル保持者としての功績により、特例的に現役で永世王将を名乗っていました。
基本的に永世称号は現役引退後に名乗ることとなるため、羽生善治九段はまだ永世王将を名乗ることはありません。
※米永邦雄永世棋聖も現役時から永世称号を名乗っていますが、これも特例というか、米永先生だから仕方ないという理由でご納得ください。
王将在位期間
王将位在位期間トップ5は以下のとおり
- 大山康晴永世王将:20期
- 羽生善治九段:12期
- 中原誠十六世名人:7期
- 谷川浩司九段:4期
- 久保利明九段:4期
永世名人資格者が4人入るというそうそうたる顔ぶれですね!!
渡辺明王将がトップ5に入ることができるのか、藤井聡太七段がここに名を連ねることはできるのかなど、興味は尽きません!!
その他の記録
【最年少獲得】中村修九段:23歳
【最年少挑戦】豊島将之名人:20歳
【最年少リーグ参加(旧規定)】
加藤一二三九段:16歳
【最年少リーグ参加(現規定)】
藤井聡太七段:17歳
まとめ
- 王将戦は将棋8大タイトルの1つで、名人戦につぐ歴史を持っている
- 賞金額は想定『700~900万円』
- 挑戦者決定のための『王将リーグ』は将棋界最難関といわれている
- 王将戦番勝負では勝者罰ゲーム写真など盛り上がれる要素も
- 藤井聡太七段が挑戦者となれるかが注目!!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは、また次の記事でお会いしましょう!